職業を聞かれ、「保育士」と答えたときに流れる あの 独特の空気が苦手だった。
保育に関わりのある人以外に伝える言葉をあの頃は持っていなかった。
返ってくる言葉はこうだ。
「大変でしょ」
「モンスターペアレント多いんでしょ」
「なりたかったけど給料がねー」
「子ども好きなんだねー」
これがほとんど。いや、全てと言えたぐらいだった。
話を聞いた後に「大変なんだね」と受け取られるのと、開口一番「大変でしょ」と決めつけられてる感じに違和感があった。
もちろん保護者にはいろいろな方がいる。
しかし「モンスターペアレント」だとレッテルを貼って接したことはない。
まず「モンスターペアレント」という言葉を現場で耳にしたことがない。対応に困ることはあっても、モンスターではない。「あなた」は「あなた」だ。そんな言葉を使って一部の保護者をひとまとめにすることはしたくない。
給料の低さに課題だが、それを理由に諦めた人は懸命な判断だろう。その価値基準では子どもと保護者に貢献を生むのは難しい。
「保育士」と言ったときに相手が示す反応から感じたことは、「よく分からないけど子どもと何かする」程度の印象なのではないかということだった。
◼️保育士と名乗ることに誇らしさを
そんななかで、ただ大変さをアピールしたところで、「他の仕事も大変だよ」となるのがオチで、愚痴や他責の念で溢れる投稿がSNSのタイムラインでじゃんじゃん流れてくるような、保育者自身がネガティブキャンペーンをしている現状ではそうそう社会的な認知に変化は起きていかないだろう。(と言いつつ、吐き出す場所も大切だろうと思うのだが…)
感情的に「保育の仕事を分かってくれー!」というわけではない。どんな価値を生み出して、社会に貢献していくかを正しく理解してもらうことを広めることが重要だと思っている。
保育士の誇らしさにつなげ、保育士がより良い状態で保育を営むことが、こどもにとって、保護者にとって、本当にいい環境を創っていけるのではないかと考えている。
そこで、保育園の開園に向けて、「保育士とは」の再定義に取り組んでいる。
◼️保育士とは
「幼稚園の先生と保育士の違いってなんですか?」と聞かれたときにあなたはどう答えるだろう?以前は、管轄の違いや養護、教育、福祉について話していたが、保育関係者以外には響いていない印象があった。
「保育士とは〇〇です」自身を持って言える。
そんな定義を残していきたい。
加えて言うなら、一つではなく、それぞれの保育哲学に応じた多様性があっても良いと思っている。(この時点で定義の定義から外れている…どう表現するかは検討していこう)
プロジェクトメンバーと意見を出し合ってみたところ、様々な意見が出てきて面白かった。想いは似ているけど捉えているポイントが違ったり、時間軸の置き方によって変わってきたり…
すぐに決めようとせず、この探究をしばらく楽しんでいきたい。
現時点での私が持つ言葉としては、
「あなたは何者ですか?」
と聞かれたら、
「子どもの未来を創る保育士です。」
と答えようと思う。
これからこの言葉がどう磨かれていくのか。変わっていくのか。
湧いてくる感覚と言葉を大切にしながら探究していく。