仙台市幼児教育の指針についての資料を読んでいたら、
仙台市内のすべて幼稚園、保育園、認定こども園の園長先生等に協力のもと行った下記のアンケート調査結果が出てきました。
【子どもの育ちをめぐる課題】
アンケートの結果、いまの子どもたちの育ちについて、以下のような危惧する声 が多く寄せられ、乳幼児期の育ちや幼児教育の重要性が改めて浮き彫りになりました。
(1)子どもの育ちについて
1外で遊ぶ機会が減り、自然に触れることによる発見や感動の経験が少なくなっているとともに、体力、運動機能が低下している。 2基本的な生活習慣が身についておらず、生活のリズムが乱れがちな子どもが増えている。 3情緒が不安定で、落ち着きがない子どもが増えている。 4自分のことは自分で考え、自分でやろうとする力が低下している。 5困難な場面でも、くじけずにやり抜こうとする力が低下している。 6自分の思いどおりにならないときに我慢する力や自制心が十分に育っていない。 7コミュニケーションを苦手とする子どもが増えている。
〈仙台市幼児教育の指針 アンケート結果より引用〉
このあと「家庭や地域の子育てについて」 「幼児教育の課題について」と続きます。
読んでいて、
「んっ」となりました。
そもそもの問いが、子ども側に課題があるような見方に違和感を覚えます。
課題への取り組みでも、子ども側の能力向上に重きを置かれています。
これは、子どもの育ちではなくて、周囲の大人や社会が作ってきた環境に巻き込まれた子どもの様子。
質の向上も書かれており、パッと見た感じ、大切な文面が並んでいるように見えますが、ここに日本の保育文化にとって変革が必要な部分が現れているのではないでしょうか。
上記の内容では、子ども理解についての考察が浅く感じられて残念でした。
- 外で遊ぶ機会が減ったのは、社会の変化や大人の管理上の都合が大きいでしょう。
- 生活のリズムが乱れやすいのは生活の形態が多様になったことも要因の一つかもしれません。
- 情緒が不安定で、落ち着きがない子どもが増えたのではなく、情緒が不安定になりやすい環境が増えてきていないでしょうか。。
- ほめる保育や子育てで、自分のことは自分で考え、自分でやろうとする力が低下させていないでしょうか。
- 従来よく見られた威圧的な関わりで、困難な場面でも、くじけずにやり抜こうとする力を奪ってはいないでしょうか。
- 自分の思い通りにならないときに我慢する力や自制心が十分に育つように段階を踏めているか、飛び級させてないか、深く子ども理解をする姿勢はあるでしょうか。
- コミュニケーションを苦手とする大人は増えていないでしょうか。
大人側の変化を生まずして、本当の意味で子どもの今や未来を豊かにしていくことはできません。
こどもは自ら成長する力を持っているため、ちょっとやそっとの困難には負けずに育っていくことができますが、大人が子どもの理解について、自ら深く考えて行動する力を発揮することが、子どもの育ちの課題に向き合うことの第一歩です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。